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2018.05.30
○福島視察〜2018初夏〜
あの大震災から早7年・・・
風化させないためにも継続的な支援が必要な【福島県】へ視察にいってまいりました。
今回訪れたのは「会津地方」。
ご存知の通り戊辰戦争における局地戦の一つである会津戦争の舞台となった地です。
またはNHK大河ドラマ「八重の桜」の初期舞台といったほうがピンとくるかもしれませんね。
そんな歴史のある地で今回様々な生産者様たちのお話を伺うことが出来ました。
■会津地鶏
450年以上の歴史と会津人の強健な志を併せ持つまさに本物の地鶏です。
鶏は病原菌に非常に弱く、通常は鶏舎の中など入る事が出来ません。
・・・しかし!
今回は特別に鶏舎内に入れていただき、間近で見学する事が出来ました。
もともと会津地鶏は平家の落人が愛玩用に持ち込んだものが広まったと言われており、その佇まいには貫禄すら感じます。
また、一昔前は野生のイノシシや熊などが鶏を襲う事もあったそうで、会津地鶏は危機能力が発達し、木の上まで飛ぶことが出来たそうです。
ニワトリが飛ぶなんて聞いたことありますか?
味わいはもちろん、その歴史にも触れる事が出来ました。
■会津伝統野菜
会津伝統野菜とは会津地方で古くから親しまれ栽培されてきた会津古来の在来種の野菜です。
現在約20種が指定されていますが生産量が激減しており、種の保存が必要だという事で、今回お話しを伺った「会津の伝統野菜を守る会」の皆さんがその普及に努めています。
夏は暑く、冬は寒い盆地ならではの気候は、味が濃く、見た目にも特徴のある野菜作りに適しており、様々な伝統野菜が育ちます。
今回は「余蒔きゅうり」の畑を視察しました。
余蒔きゅうりはえぐみが無く、普通のきゅうりが苦手な人でも食べやすいきゅうりです。
香りがしっかりとし、歯ざわりがなめらかで種のまわりが甘い事が特徴です。
今では地元の学校給食でも提供されているようで、「きゅうりが苦手な子供たちも、余蒔きゅうりは喜んで食べるんだよ!」とお話ししてくれた生産者さんが印象的でした。
■炭焼き車麩
昔ながらの作り方を守っており、膨張剤を使用せず炭の力で膨らませます。
長時間かけ3回巻きをするためずっしりとした重量感と、はたまた水をすったときの芳醇な柔らかさが特徴です。
とても素晴らしい食文化なのですが、生産者さんはこんな事を言っておりました。
「膨張剤を使用すれば、簡単に膨らむし手間がかからない上に儲けが出るが、やっぱり会津の伝統食を絶やすわけにはいかないからね、今は家族で郷土料理を食べる習慣も薄れてきてるし、俺には後継者がいないので俺の代で終わりかな」、と、とても胸に刺さる言葉でした。
こういった伝統を絶やさぬようにぜひ行政主導で後継者育成をしてほしいと切に願います。
■会津味噌・醤油
城下町特有の町並みの中に自然と溶け込むように、醸造蔵はありました。
今回伺った醤油屋さんは、会津の地で100年以上に渡り会津郷土料理をささえて来たそうで、濃いめの味付けが特徴的な会津食はまさに武士料理だと教えてくれました。
たとえば、にしんの山椒漬け、棒たら煮、こづゆ、山菜料理など、ほとんどの料理に醤油を使用します。
特に諸藩を渡り歩く武士の特性から携帯食文化が残っており、濃く味付けをしないと傷みが早いとの事で非常に納得しました。
また、会津味噌を使用した漬物も秀逸なものが多く、ご飯のお供はもちろん、酒どころ福島の肴として地元で愛されております。
今回の視察を通し、改めて地方郷土食の素晴らしさに触れることが出来ました。
この経験を活かし、皆様へより良い食材のご提案が出来る様努めてまいります!
会津の皆様、ありがとうございました。